井上博道について

 

井上博道(いのうえ はくどう) 1931-2012
井上博道は、自然の風景、社寺建築、仏像、風俗など、日本の伝統と美しい風景を独自の感性で表現した写真家です。特に、奈良に拠点を置いてからは、県内の地域に繰り返し足を運び、数多くの大和の風景写真を遺しました。

井上博道は、昭和6年(1931)、兵庫県香住の禅寺に生まれました。昭和29年(1954)、龍谷大学文学部仏教史学科卒業。大学在学中、西本願寺詰めの産経新聞記者だった司馬遼太郎に出会い、これが、博道が産経新聞社に入社するきっかけとなりました。入社後は大阪支社の編集局写真部に配属されました。博道は司馬遼太郎を兄のように慕い、その交流は生涯続きました。昭和41年(1966)フリーカメラマンとして独立。昭和58年(1983)から平成9年(1997)まで大阪芸術大学にて教鞭をとりました。退職後は奈良を拠点として、撮影・創作活動に専念。平成24年(2012)、不慮の事故により81歳で亡くなりました。

【略 歴】
1931 兵庫県城崎郡香住町(現、美方郡香美町香住)の南禅寺派寺院の長男に生まれる
1950 兵庫県立豊岡高校卒業
1954 龍谷大学文学部仏教史学科卒業
1955 産経新聞大阪本社編集局写真部入社
1966 フリーカメラマンに転身。生花・小原流家元豊雲氏の撮影を始める
1971 江戸時代から続く奈良晒の商家に生まれた中川千鶴と結婚
1972 長女千華誕生
1976 神戸から奈良に住まいを移す
1978 大阪今橋画廊にて個展「室生の仏たち」を開催
1983 大阪芸術大学写真学科の助教授(のちに教授)に就任
1988 「有限会社井上企画・幡」設立
1991 出身大学である龍谷大学より「龍谷賞」を授与される
1997 大阪芸術大学を退職
2004 奈良県立万葉文化館にて個展「万葉逍遥」を開催
2008 東京・上野の森美術館にて個展「井上博道の眼」開催
2010 大阪・近鉄百貨店内の近鉄アート館にて個展「井上博道の眼」開催
長野県飯田市より、第7回「藤本四八写真文化賞」を授与される
2012 富山県・ミュゼふくおかカメラ館にて個展「井上博道の眼」開催
10月、京都府内のトンネルを撮影中、不慮の事故に遭う。
12月12日、永眠。

【主な出版物】
淡交社(淡交新社)
「美の脇役」産経新聞社編(1961)、「室生寺」(1964)、「神護寺・高山寺」(1965)、「中尊寺」(1967)、「邪鬼の性」(1967)、「平戸・人と歴史」(1967)、「羅漢・仏と人との間」(1968)、「水かがみ」(1968)、「不動の怒」(1969)、「山の宗教 修験道」(1970)
平凡社カラー新書
「京の裏道1 洛東」(1976)、「京の裏道2 洛北」「京の裏道2 洛西」(1977)、「京の裏道4 洛南」「京の裏道5 洛中」(1978)
光村推古書院
「奈良万葉①飛鳥」「奈良万葉②山の辺」「奈良万葉⑤平城京西」「奈良万葉⑥平城京東」(1998)
「奈良万葉③吉野・宇陀・室生」「奈良万葉④葛城・生駒・竜田」(1999)
PIE BOOKS
「万葉集 Man’yo Luster」(2002)、「俳句 Haiku」(2003)、「山頭火 Santoka」(2006)、「俳句 Haiku(新装版)」(2009)「禅語」(2009)、「隠れた仏たち(新装版)」(2010)、「親鸞」(2012)、「日本のこよみ」(2014)、「万葉集 Man’yo Luster(新装版)」(2014)
1979 「古寺巡礼 奈良10室生寺」淡交社
「古寺巡礼 奈良12霊山寺」淡交社
1981 「日本の庭園2 池泉の庭」講談社
「隠れた仏たち」学生社
1982 「日本の壁」駸々堂
「冷泉家の花貝合わせ」文化出版局
「大和路の野の花」文化出版局
1988 「奈良万葉」奈良市教育委員会
「奈良大和路 都・山・道・里(全4巻)」京都書院
「葛城の道」御所市
1989 「東大寺」中央公論社
1991 「生駒光景」生駒市
1992 「日本の名建築写真集2 東大寺」新潮社
1993 「やまとのかたち」「やまとのこころ」講談社
1997 「斑鳩」斑鳩町
「京の古寺20 等持院」淡交社
1998 「夢窓国師の風光」春秋社
2005 「美の脇役」(光文社知恵の森文庫)
2008 「美しい日本語の風景」淡交社
2011 別冊太陽「万葉集入門」平凡社

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