井上千鶴の言葉

井上千鶴のことば

インテリアと彩

長い梅雨が終わると一気に36℃、37℃の体温レベルの毎日が続いています。暦の上では、立秋も過ぎ
お盆で帰って来られていた御魂をお送りし、夏の行事も一段落。そろそろ夏の暑さが身に染み、
息苦しいこの頃ですが、そんな中、娘家族と夕食を共にする事にしました。
使い馴れたテーブルと椅子でも、少し改まった気分で生平(漂白していない手織り麻布)に
墨描きのランチョンマットに八寸の染付け皿、杉のカラン箸と錫の箸置き、ワイン用のカットグラスを
配すと何となく夏のテーブルセッティングが出来上がりました。仕事を終えてからの夕食会という事も
あり、生ものも揃えられず、取りあえず前日に仕込んだ物ばかりの献立になりました。
・枝豆の塩茹で
・ポーク、鶏肉のオーブン焼き、宝楽とうがらしの焼き物、白アスパラガスの茹でた物
・お盆のお煮しめ
  生湯葉、ごぼう、小芋、さんど豆、高野豆腐、しいたけ
・ちらし寿司
・漬物
・シャンパン
宴たけなわの折、日頃使っているピンク色の台ふきが、カウンターテーブルに乗った時、
娘、孫の女性2人が声を揃えて「何それ」「おばちゃんらしくもない、そんな色のふきんを使って」
という一声。
もちろん私自身も日頃似合わない色だな、と思いつつ、頂き物の小さなタオルがあるので、自社の
台ふきを使う前に取りあえず消化しないとと倹約の精神を発揮したという訳です。
非日常を少し演出したつもりが、つい化けの皮が剥がれてしまいました。
夏の軸を掛け、額も夏から初秋をかんじさせる物を掛け、ガラスのランプやグラス、瑠璃の香瓶、
古伊万里の飾皿、ペルシャの銀化した鉢等を飾り、麻のタピストリーに綿を藍で染めて織った
鍋島緞通を敷き、部屋の色調を吉野杉と和紙、土壁そして上記の道具の時代を経た色でまとめて
います。そこへピンクの手の平サイズの台ふきが登場したその一時が、2人の悲鳴になった事は、
長年の私の教育がそうさせたのかと、痛しかゆしの思いでした。
何事によらず、そういう事は仕事の上でも、お洒落れをするにつけても、ある事だと考えさせ
られました。




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