井上千鶴の言葉

井上千鶴のことば

 

  桜

  寒い寒いと言っていたのが、今週になって日一日と夏に向かうような勢いです。
  町中の枝垂れ桜から、住宅街のあちこちに点在する染井吉野や街路樹の八重桜が
  一斉に咲き始めました。
  今日も車を走らせて近くのガソリンスタンドに入ると、川を隔てた目の前は、桜と
  雪柳が交互に咲き乱れています。
  年月を経た大木の桜並木が何百メートルも続いているのです。壮観な風景です。
  多分、住宅や大きな道路が出来る以前から生きて来た桜達なのでしょう。
  この季節、その生命の歴史を思い起こさせるかのように花を咲かせます。
  ひとときの盛りの時です。
  そんな事を考えながら給油を終え、又、車中から道路の風景を見ていると桜の花の
  足元には、枯れた かるかや や、薄木の枯れ葉が、風に揺れています。
  これはいただけない景色です。
  やはり満開の桜の周囲は、すっきりと枯れ草のない所で咲かせたいものです。
  手入れが行き届いていないのを見るのは悲しい事です。
  美しい物は、美しい環境に在って欲しいと思います。
  昔の人々は自宅、自庭、そして、周囲も含めて手入れをしたのではないのでしょうか。
  私達もそう在りたいと思います。
  次の雨が来るまで、何日桜が楽しめる事でしょうか。
  混雑する中を出かけなくても、近辺の桜を愛でるだけでも心安らかに微笑みたくなるのは、
  私だけでしょうか。
  良いお花見を!!

 




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