井上千鶴の言葉

井上千鶴のことば

 

 

骨董品

 

私の父は骨董品や美術品が好きな人でした。

その影響で私も学生時代から何も解らないままに骨董品が大変好きでした。

特に学生時代は染付の磁器が好きでした。

自分のおこづかいの中で買える物のことですから、今思えば安価なものなのですが

それでも染付の色や図柄にはこだわりが有りました。

その頃買ったそば猪口や生酢鉢は今でも毎日使う食器として食器棚に並んでいます。

年を重ねるにつれ、目も肥え、少しお金も持てるようになると

若い頃のようなものは手に取らなくなり、少しずつステップアップしていきます。

と共に、家の中にもだんだん物が溜まり置き場も溢れんばかりになる有り様

そろそろ整理をと考えるようになりました。

 

そんな今頃ですが、好きな骨董会に先日も行き、いろいろなものを見てきました。

もちろん展示はただただ棚や壁面に一面並べられているだけです。

物を見る目がないと見落としてしまいそうなほど、いっぱいに並べられています。

本当に心動かされるものがあるかという眼で見るのですが

多数の品々の中で一点だけ、“これ欲しいかな”というものがあり

帰宅してから入札金額を考えようと思いました。

 

こういう展示会に来る人は多分、プロかセミプロの人が多いのでしょう。

私のようなアマチュアにとっては物はやはり

置かれる場所と置かれ方があって初めて生かされると思います。

ただ単に野菜や食品のように並べられたのでは、本来の美しさが発揮されることはありません。

食器は食べ物が盛られ、盆やマットの上に置かれてこそ生きるものです。

花器や茶器もしかりです。

物はあるべきところに置くことが大切です。

でも、プロの人たちはそれよりも物本位です。

物の持つ美こそが何よりも惑わされずに見えるのでしょう。

本当は何が良いのか、価値観の違いでしょうか。

 

何はともあれ、自分が楽しめる、それでないと持つことはないでしょう。

私たちはプロではないからです。

自分が持って楽しめる。これが自分にとって一番の価値であるはずです。

そんな目で見ながら、日々楽しめるものにめぐりあうことを願って

骨董品屋さんののれんをくぐります。

今回の展示会はちょっと物足りない会でした。

 

 

 




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